陽気なピエロのコインロッカー

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2018年11月に読んだ本

<41>竹宮ゆゆこ『あなたはここで、息ができるの?』新潮社 ★4.5
正直、読み始めてしばらくは苦手な部類の小説だなーと思ってた。それでもぐいぐい引き込まれるようななんともいえない魅力があるなと思いながら読んでいた。読了して、思わず「すごい本を読んでしまった」と呟いてしまった。この作品の瞬発力はなんだろうか。いやはやすごい。時間的に一気に読めたのも大きかったと思うがまさに、「絶対、最強の恋愛小説。」

あなたはここで、息ができるの?

あなたはここで、息ができるの?



<40>川澄浩平『探偵は教室にいない』東京創元社 ★3.5
第28回鮎川哲也賞受賞作。日常の謎的学園ミステリで、派手ではないけど、文章といいミステリといい非常に好感の持てる作品集。やや謎解きが小粒なところもあるけど爽やかな読後感。

探偵は教室にいない

探偵は教室にいない



<39>今村翔吾『九紋龍 羽州ぼろ鳶組』祥伝社文庫 ★4
羽州ぼろ鳶組シリーズの第3弾。高位安定の面白さに加え、本作でスポットのあたる九紋龍の造形が見事。思わず涙腺が緩みそうになった。江戸の火消しという設定だけでも面白みがあるけど、本シリーズはみんな人物はとにかく魅力的。ますます今後が楽しみ。

九紋龍 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)

九紋龍 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)



<38>箕輪厚介『死ぬこと以外かすり傷』マガジンハウス
幻冬舎の天才編集者と呼ばれる著者の思考論的著書。タイトルそのままの内容で、一見過激に思えるけど、いい悪いは別にして筋の通った考え方は一定の説得力はある。けどみんなが箕輪さんみたいになったら世間は成り立たないし、それがわかっているからこそ本にできるし出る杭になれるのだろう。全部は無理にしても考え方の一端はまねできる。

死ぬこと以外かすり傷

死ぬこと以外かすり傷



<36,37>アンソニーホロヴィッツ、山田蘭訳『カササギ殺人事件(上下)』創元推理文庫 ★4.5
興味をそそる導入から上巻をまるまる使った作中作、そして休む間を与えることなく衝撃の下巻、とエンタテインメント度抜群のミステリ。古き良き時代と現代とまさに一粒で二度美味しいとは本書のための言葉だろう。そして読みやすさだけではない訳者の技も光ってる。まさに本年を代表する作品だろう。

カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)

カササギ殺人事件〈下〉 (創元推理文庫)