陽気なピエロのコインロッカー

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ジュンク堂の「書標」

ジュンク堂が「書標」という小冊子を毎月出してることに最近気付いた。しかも無料で。

で、12月号をいただいてきたのだけれど、これに喜国雅彦の「著書を語る」というコラムが掲載されていて面白かったのでちょっと抜粋引用させていただく。

(喜国さんの前作『本棚探偵の冒険』は初版部数が少なかった。本屋さんにいって自分の本が見つからなくて)作家(喜国さん)は帰り道にこう思う。
本屋さんには「取りあえず並べてくれないと、売れるもんだって売れるわけないじゃん!!」
出版社には「もっと刷ってよ!この部数じゃ、置きたいと思ってくれた本屋さんがいても、足らないじゃん!!」
そしてまとめてこう思う。「取りあえずドンと積んどけば、ワケも判らないで買っていくお客さんだって、いっぱいいるんとちゃうの?積んであるだけで、読む前から面白いって信じてる人いっぱいいるじゃないの?ヒット作っていつもそうやって生まれてるんと違うの?」


もちろんただの言いがかりである。
(中略)


(そして喜国さんの新刊『本棚探偵の回想』が書店に山と積まれているのをみて一目散にその場を逃げ出す喜国さん。)
その背中を誰かの嘲笑が追いかけてくる。
「ホラ、お前の希望どおりしてやったぞ。こうすりゃ売れるんだろ?積みさえすれば、本は売れるんだろ?ホーラ、よくみて見ろよ。自分の本が飛ぶようにうれていくところをよ」
「すみません。もう止めてください。あんな山が全部売れるワケありません。僕が間違ってました。思い知りました。恥ずかしいです。出版社もひどいです。あんなに刷ることないじゃないですか。ああ、僕のせいで赤字になっちゃうじゃないですか。(後略)」

作家じゃないけど、この気持ちはなんだかすごーくよくわかる気がするのは何故だろう?(笑)
いや、でも喜国さんの新刊は売れているようでなによりです。