陽気なピエロのコインロッカー

読んだ本を晒す棚 感想はTwitter:はらかず@kazu7honyomiで

2018-01-01から1年間の記事一覧

2018年12月に読んだ本

<45>森見登美彦『熱帯』文藝春秋 ★3.5 久々のモリミー本。独特の世界観は相変わらずだが、物語の風呂敷がどんどん広がってそれが入れ子構造のようになって・・・。面白いのは面白いんだけど、SF気の乏しいワタクシには少々ついていけない部分があったのも…

2018年11月に読んだ本

<41>竹宮ゆゆこ『あなたはここで、息ができるの?』新潮社 ★4.5 正直、読み始めてしばらくは苦手な部類の小説だなーと思ってた。それでもぐいぐい引き込まれるようななんともいえない魅力があるなと思いながら読んでいた。読了して、思わず「すごい本を読…

2018年10月に読んだ本

<35>名倉編『異セカイ系』講談社タイガ ★3.5 第58回メフィスト賞受賞作。中盤までは読みやすいけど苦手なやつかな~、と思いながら読んでいたけど、そこからの展開が哲学めいて興味深かった。ド本格のメタフィクション。それにしてもメフィスト賞は次々と…

2018年9月に読んだ本

<32>赤松利市『鯖』徳間書店 ★3.5 アングラ感漂う装丁の通り、昭和の荒くれ漁師たちの底辺の暮らしぶりからの・・・。登場人物がみな独特で魅力的。怒涛のラストがやや唐突だったかなぁ。鯖 (文芸書)作者: 赤松利市出版社/メーカー: 徳間書店発売日: 2018/…

2018年8月に読んだ本

<29>デイヴィッド・グラン著、倉田真木訳『花殺し月の殺人 インディアン連続怪死事件とFBIの誕生』早川書房 ★4.5 なんというノンフィクションだろう。20世紀初頭に起こった20人を超える先住民が殺された事件の真相に迫るだけでなく、アメリカ社会の暗部を…

2018年7月に読んだ本

<23>高橋弘希『送り火』文藝春秋 ★3 第159回芥川賞受賞作。文章は洗練されていて巧いと思ったけど終盤の描写は唐突に感じた。送り火作者: 高橋弘希出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2018/07/17メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る <22>…

2018年6月に読んだ本

<18>木元哉多『閻魔堂沙羅の推理奇譚』講談社ダイガ ★4.5 第55回メフィスト賞受賞作。死んだ者が生きていたときの情報のみで犯人を推理するという斬新な短編集。読みやすく、かつ、なるほど感あるミステリで好印象。閻魔堂沙羅の推理奇譚 (講談社タイガ)作…

2018年5月に読んだ本

<16>セバスチャン・フィツェック/酒寄進一訳『乗客ナンバー23の消失』文藝春秋 ★3.5 衝撃の展開の連続は評判通りの面白さだったけど、訳との相性が合わなかったかも。謎も魅力的だし、社会的なテーマもあってもうちょっとのめりこんで読めたらより楽しめ…

2018年4月に読んだ本

<14>笹沢左保『流れ舟は帰らず 木枯し紋次郎ミステリ傑作選』創元推理文庫 ★4.5 10編収録の文字通り傑作選。渡世人の生き様や当時の風俗のみならず紋次郎のキャラクターはもちろん、ミステリとしても上質。流れ舟は帰らず (木枯し紋次郎ミステリ傑作選) …

2018年3月に読んだ本

<11>柚月裕子『盤上の向日葵』中央公論新社 ★4.5 いやー面白かった。読ませる読ませる。さすが柚月裕子。将棋の名駒をめぐる哀切の骨太の物語だが、終盤やや拙速だったかなと。盤上の向日葵作者: 柚月裕子出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2017/08/18…

2018年2月に読んだ本

<7>蘇部健一『小説X あなたをずっと、さがしてた』小学館 ★4 さすが蘇部健一(笑) いやー恐ろしい小説を読んだ。ラスト一行、やられました。小説X あなたをずっと、さがしてた作者: 蘇部健一出版社/メーカー: 小学館発売日: 2018/01/23メディア: 単行本こ…

2018年1月に読んだ本

<5>町田そのこ『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』新潮社 ★4 デビュー作の連作短編でこの出来栄えはすごい。間違いなく書ける作家さんだと思う。次作が楽しみ。夜空に泳ぐチョコレートグラミー作者: 町田そのこ出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2017/08/22…