陽気なピエロのコインロッカー

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2012-01-01から1年間の記事一覧

横山秀夫『64』文藝春秋<40>

64(ロクヨン)作者: 横山秀夫出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/10/01メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 75回この商品を含むブログ (120件) を見る警察小説の第一人者、横山秀夫の久々(7年ぶり!)の新作。7日間しかなかった昭和64年に起きたD県警…

上橋菜穂子『獣の奏者 3探求編』講談社文庫<41>

獣の奏者 3探求編 (講談社文庫)作者: 上橋菜穂子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/08/10メディア: 文庫 クリック: 6回この商品を含むブログ (28件) を見る完璧なファンタジー小説だった「獣の奏者」の闘蛇編と王獣編に予定されていなかった続編を書くの…

上橋菜穂子『獣の奏者 4完結編』講談社文庫<42>

獣の奏者 4完結編 (講談社文庫)作者: 上橋菜穂子出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/08/10メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (29件) を見るエリンの物語も本当に最後を迎えた。人と相容れぬ獣との愛情溢れる物語のこの結末は、決…

本城雅人『嗤うエース』幻冬舎文庫<43>

嗤うエース (幻冬舎文庫)作者: 本城雅人出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2012/10/10メディア: 文庫この商品を含むブログを見る小さいときから抜群の身体能力と野球センスをもった浪岡龍一。極貧生活から人気球団のエースへ昇りつめた浪岡に野球賭博の疑惑が…

近藤史恵『はぶらし』幻冬舎<44>

はぶらし作者: 近藤史恵出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2012/09/27メディア: 単行本この商品を含むブログ (8件) を見る十数年ぶりにかかってきた学生時代の友人・水絵からの電話。離婚して働きながら子育てをしていたがリストラにあって就職活動のため一週…

三浦しをん『神去なあなあ日常』徳間文庫<38>

横浜の高校生平野勇気が卒業後に親と先生に「就職先」として送り込まれたのは携帯の電波も通じない三重県山奥の神去村。仕事は林業。最初は逃げ出すことばかり考えていた勇気だが、次第に自然を相手に生きていく神去村の「なあなあ」(ゆっくりとした、落ち…

角幡唯介『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』集英社文庫<39>

大学の探検部に所属していた著者が出会った1冊の本。そこにはチベットを流れるツアンポー川を巡る冒険が描かれていた。強烈に惹きつけられた著者は名だたる探検家が挑戦したものの、そこに人跡未踏の「空白の五マイル」が存在することを知り、単独でツアン…

鯨統一郎『ドラゴンリップ 刑事・竜めぐみの体当たり捜査』双葉ノベルス<36>

時々ものすごい発想と傑作を生み出す鯨統一郎だけど、この作品は可もなく不可もなくといったところか。。。女性刑事はそこそこ魅力的ではあるけれど、推理に真新しさもなく。次作に期待しよう。ドラゴンリップ 刑事・竜めぐみの体当たり捜査 (FUTABA NOVELS)…

三浦明博『五郎丸の生涯』講談社<37>

大きな秋田犬「五郎丸」の飼い主たちにまつわる連作短編集。飼い主たちが五郎丸に関わるようになったきっかけ、あるいは離れることになる事情が描かれるのだが、そのそれぞれの事情(あるいは苦悩)がとても印象的。そんな中、凛としてたたずむ五郎丸の姿が…

10月に読んだ本

2012年10月の読書メーター 読んだ本の数:2冊

上橋菜穂子『獣の奏者 ?闘蛇編』講談社文庫<34>

いやぁ、これは参った。素晴らしい。ファンタジーは苦手なのに打ちのめされてしまった。異世界の物語であるのにこの圧倒的なリアリティ。いろんな偶然はあるんだけど、それもこのエリンという少女の運命と思うとストンと胸に落ちる。もう序盤から涙流れたよ…

上橋菜穂子『獣の奏者 ?王獣編』講談社文庫<35>

なんと過酷で壮絶な人生を著者はエリンに課したのだろうと思ってしまう獣の奏者第2弾。もうこれは完全に大人向けのファンタジーだ。大人でさえ目を背けたくなるような場面や人間の醜い部分まで真正面から描ききっている。その中でも自分の存在意義を見出だそ…

9月に読んだ本

2012年9月の読書メーター読んだ本の数:2冊

大前研一編著『企業参謀ノート[入門編]』プレジデント社<29>

ベストセラー『企業参謀』の文字通り入門編。エッセンスのみを抽出していてとても読みやすい。企業経営というのはもちろん複雑で難しいのだけど、実はやらなけらばならないことというのは不変だったりする。ツールに頼るのではなく、そのツールをどう使うか…

辻村深月『鍵のない夢を見る』文藝春秋<30>

第147回直木賞受賞作。辻村深月を読むのはデビュー作以来だったけど、その成長ぶりに驚いた。短編集ということもあるかもしれないけどデビュー作のときに感じた冗長さを全く感じなかった。どの短編もいわゆる「いい話」ではないし後味もけっして良くない。な…

堂場瞬一『ラストダンス』実業之日本社文庫<31>

ドラフト2位で1軍半の捕手樋口とドラフト5位でエースにのし上がった真田。対照的な野球人生を歩み、全く交わることのなかった同期の二人が、ラストシーズンでチームの優勝がかかる一戦で初めて交差する。 堂場瞬一の野球描写はほんとに巧い。特にバッテリ…

石持浅海『玩具店の英雄 座間味くんの推理』光文社<32>

『月の扉』『心臓と左手』に続く座間味くんシリーズの新作短編集。相変わらず石持浅海らしさと座間味くんの切れ味の鋭さが味わえる。ちょっと見方を変えるだけで真相が180度変わってしまうことはミステリでもよくあることだけど、その見方を変えるポイント、…

東野圭吾『ナミヤ雑貨店の奇蹟』角川書店<33>

東野圭吾は何を描いてもうまいなぁ。何にも予備知識なしで読み始めたのでファンタジックなお話だとは露知らず。どちらかというとファンタジーは苦手なんだけど、そこは東野圭吾読ませる読ませる。時間と場所のつながりが終盤に行くほど絡まりあってラストに…

8月に読んだ本

2012年8月の読書メーター 読んだ本の数:5冊

大野更紗『困ってるひと』ポプラ文庫<26>

なんとも壮絶な闘病記だ。福島の過疎地域に育ち、上智大学で学び、ビルマ難民の研究で一人で現地の難民キャップに飛び込むほどの活動していた著者が突然、全身の激痛に襲われる。原因不明。病名がつくまで病院をたらい回しにされ、検査では麻酔をすると筋肉…

我孫子武丸『さよならのためだけに』徳間文庫<27>

遺伝子診断による結婚仲介をするマッチングシステムが発展し、人口も増加傾向にある近未来。国策ともいえるそのシステムのすべてを取り仕切るPM社の社員である水元は、万に一つともいわれる「特A判定」とされたルナと結婚する。しかし、新婚旅行から帰っ…

松尾清貴『偏差値70の野球部 レベル1 難関合格編』小学館文庫<28>

タイトルが気になって読んでみた。んだけど、小説としての評価は微妙。甲子園を目指して一念発起して勉強して受験した高校が本人が思っていた高校とは違い、実は偏差値70の超難関高校で、そこになぜか受かってしまう。。。というところからしていろいろ無理…

7月に読んだ本

2012年7月の読書メーター 読んだ本の数:3冊

柚月裕子『最後の証人』宝島社文庫<23>

ドンデン返しという言葉があるけれど久々にミステリの大ドンデン返しを満喫した。殺人事件にまつわる法廷での争いが物語の肝で、主人公である弁護士の立場が非常にユニークなのが印象的。ちょっと強引なところもあるのだけど、そんなことが気にならないぐら…

冲方丁『天地明察(上・下)』 角川文庫<24,25>

期待が大きすぎたせいか、あまりのめり込むことなく下巻の最終章までたどり着いてしまった。暦や算術といったテーマは面白く、エピソードも悪くないのだけど、いまひとつ、文章に深みがあったらもっとのめり込めた感じがする。ただ、江戸の時代に渋川春海の…

6月に読んだ本

2012年6月の読書メーター 読んだ本の数:3冊

桜木紫乃『起終点駅』小学館<22>

起終点駅(ターミナル)作者: 桜木紫乃出版社/メーカー: 小学館発売日: 2012/04/01メディア: 単行本 クリック: 2回この商品を含むブログ (17件) を見る 5月はあまりにも本が読めなかったのでビジネス本も入れてみた(笑) 6月も読書あんまりできなそうだなぁ(>_

東野圭吾『聖女の救済』文春文庫<21>

聖女の救済 (文春文庫)作者: 東野 圭吾出版社/メーカー: 文藝春秋発売日: 2012/04/10メディア: ペーパーバック購入: 4人 クリック: 266回この商品を含むブログ (74件) を見る

松宮義仁『世界一受けたいソーシャルメディアの授業』フォレスト<20>

世界一受けたいソーシャルメディアの授業作者: 松宮義仁出版社/メーカー: フォレスト出版発売日: 2012/03/08メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 1人 クリック: 13回この商品を含むブログ (3件) を見る

稲盛和夫『稲盛和夫の実学』日経ビジネス人文庫<19>

稲盛和夫の実学―経営と会計作者: 稲盛和夫出版社/メーカー: 日本経済新聞社発売日: 2000/11/07メディア: 文庫購入: 28人 クリック: 214回この商品を含むブログ (107件) を見る