近藤史恵『はぶらし』幻冬舎＜44＞

はぶらし

十数年ぶりにかかってきた学生時代の友人・水絵からの電話。離婚して働きながら子育てをしていたがリストラにあって就職活動のため一週間だけ居候させてほしいという。脚本家としてそこそこの生活をして独り者の鈴音はやむなく了承するのだが・・・。 なんとなーく嫌ーな話を書かせたらほんとに巧い。ちょっとしたこと（タイトルのはぶらしの話は秀逸）なんだけど、嫌な感じ。その距離感が絶妙すぎる。現代の人間関係のとりかた、コミュニケーションのズレ方を顕在化したある意味社会の縮図的な小説かもしれない。まぁちょっと水絵は特殊すぎるけど