陽気なピエロのコインロッカー

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角幡唯介『空白の五マイル チベット、世界最大のツアンポー峡谷に挑む』集英社文庫<39>

大学の探検部に所属していた著者が出会った1冊の本。そこにはチベットを流れるツアンポー川を巡る冒険が描かれていた。強烈に惹きつけられた著者は名だたる探検家が挑戦したものの、そこに人跡未踏の「空白の五マイル」が存在することを知り、単独でツアンポー峡谷の踏破を試みる。 なんという冒険譚だろう。今彼の命があるのは偶然の重なりでしかない。今でこそネットでその川の軌跡は簡単に確認できるが当時はどこに流れているか全くの謎だったという。幻の滝を目指しそこで彼が目にしたもの、そしてなぜ冒険するのかという心の吐露が胸を打つ。