道尾秀介『向日葵の咲かない夏』新潮社＜39＞

向日葵の咲かない夏

今年度本格ミステリ大賞の候補となった話題作。
初めて読む作家さんだけど、げげげ、やっぱりホラーサスペンス賞出身の作家らしく僕にとってはホラー色が濃かったです。
とはいえ、なるほど、これは話題になるのも肯ける。本格ミステリらしい硬質な雰囲気かと思いきやSFの要素が入ってきた？とか、おいおいおいグロテスクだよー、と揺さぶられ、最後はこうくるのか、と驚きました。あらすじを書こうとするとネタバレを避けるのが難しい作品なのはたしか。読んだ人と語り合いたいというがよくわかります。
読了すると帯の文句の巧さが目をひく。
「分類不能、説明不可、ネタバレ厳禁！超絶・不条理ミステリ（でも、ロジカル）」
「本気で「物語をつくる」ってのは、こういうことさ！」