芦原すなお『カワセミの森で』理論社＜42＞

カワセミの森で (ミステリーYA!)

理論社ミステリーYA！の一冊。
なにより文章がすばらしい。もちろんミステリではあるのだけど、事件が始まるまで、というか事件の舞台となる場所に行くまでに半分以上の紙幅が費やされている。語り手である桑山ミラが述べている通り、まさにジェットコースターのようで後半は怒涛の展開だ。本書では高校生である桑山ミラが大学生時代を描いた作品『山桃寺まえみち』もあるそうでこちらも読みたくなった。