雫井脩介『犯罪小説家』双葉社＜80＞

犯罪小説家

リーダビリティは高いものの小説全編にわたって不気味な雰囲気が漂っている。内容がいわゆる自殺サイト関連というのもあるのだろうが、登場人物がみなどこか狂気じみているのだ。もちろんそれは著者の計算のうちで、その筆力こそすごいとは思うのだけれど、なんというか、ほんとうに不気味だ。
しかし、このタイトルでこの結末はいただけなかった。なんともありがちでちょっとがっかりしてしまった。