陽気なピエロのコインロッカー

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朝倉慶『大恐慌入門』徳間書店<5>

大恐慌入門 何が起こっているか? これからどうなるか? どう対応すべきか?

大恐慌入門 何が起こっているか? これからどうなるか? どう対応すべきか?

ちょっと今までの本と毛色が違うしかなーり長くなったのでたたみます。


流行語のように毎日「百年に一度の」と連呼されている世界金融危機。一体何が起こっているのか?をわかりやすく解説している本だ。この本を読むといかに日本人の認識が甘いかを痛感させられる。突きつけられた現実は衝撃的だ。結論だけ書くと、そう遠くない未来のアメリカ国家の破綻であり、資本主義の崩壊だ。今のアメリカを日本で例えれば、トヨタニッサン・ホンダが倒産寸前に追い込まれ国が公的資金を導入している段階である。しかし、今まで余剰に売れていたものが今後も売れることは考えにくく、国の援助もいずれ尽きる。「大きすぎて潰せない」のではなくて「大きすぎて救えない」のだ。また、複雑化した金融商品による資本主義の崩壊も迫っている。等々。
論理的に語られているので説得力があるのが恐ろしい。どう対応すべきか?が非常に抽象的なのだけれど、それは端的に国が崩壊すると何が起こるかわからないからである。やはり歴史は繰り返し、世界戦争へ突入していくのだろうか。