陽気なピエロのコインロッカー

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絲山秋子『沖で待つ』文藝春秋<18>

沖で待つ

沖で待つ

第134回芥川賞受賞作の表題作に「勤労感謝の日」を併録。
恥ずかしながら実は初の絲山作品である。数ある積読の中でも常にすぐ手に届く位置にキープしてあるのになかなか手が出なかった絲山作品。結局読むのは芥川賞受賞作からになっちゃいました。
で、それなりに期待して読んだわけですが、期待通り、いや期待以上におもしろかった!
さすがに純文学系でベストセラーを連発してるのは伊達じゃないですね。
勤労感謝の日」も「沖で待つ」も主人公をどことなく作者を思い起こしてしまうのがアレですが、うーん、両作ともほんとに普通でありながらどこか普通じゃない、絶妙な距離感が見事。「沖で待つ」のタイトルもいいなあ。
なんとなく堀江敏幸に近い感じを受けたのだけどどうだろう。
これを機に絲山作品を遡って読んでみようかな。