- 作者: よしだまさし
- 出版社/メーカー: 本の雑誌社
- 発売日: 2006/02/16
- メディア: 単行本
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「すべてのはじまり」にあるように、僕も『姿三四郎』は知ってるけど読んだことはなかったし、富田常雄に関してはよしださんの日記を読むまでは全く知らなかった。
その後『消えた受賞作 直木賞編』→ISBN:4840111103初めて富田常雄の小説を触れたけれど正直な話、あまり印象に残っていない。
で、本書である。
これがお世辞抜きに面白い!はっきりいってよしだまさしさんが書いたものでなければ手にも取らないタイプの本かもしれないけれど、めちゃくちゃ面白く読めた。そして本書を読んだ人が誰しも思うように僕も『姿三四郎』が読みたくなった!(「物語のパターン」という章を読んだときには他の著作はいいかな、と思ってしまったけれど)
「評論」というほど堅苦しくなく、いつものよしださんの日記の延長のような文章で読みやすかったし、富田常雄に関するモノを調べ、集める過程は古本者のおかしみも相まってニヤリとしたし、当時の文壇事情とかもとても興味深かった。
そしてやっぱり『姿三四郎』だ。柔道しか頭にない彼がヒロイン(?)にいったという言葉がやっぱりとても印象的だった。
「しかし、僕は君を……時々は柔道よりも大事だと思った」