陽気なピエロのコインロッカー

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柄刀一『ゴーレムの檻』光文社カッパノベルス<24>

ゴーレムの檻 (カッパノベルス)

ゴーレムの檻 (カッパノベルス)

今年の本格ミステリ大賞の候補作となった作品集。
柄刀一という作家は前にアンソロジーで短編を一作読んだのみだった。その作品もあまり印象的ではなかったのだが、今回の作品集も一言でいってしまえば僕の好みではなかった。
「美しい、浪漫派本格推理」という評判だが、確かにそういう感じは受けるものの、いまいち作品にのめり込めない。時空が歪んで・・・という作品世界がちょっと苦手かも。
とはいうものの、表題作「ゴーレムの檻」はなるほど、傑作だった。謎の提供方法からものすごく盛り上げて結末がお粗末な展開というのがありがちだけど、意外で、とても深く印象に残る結末だった。