陽気なピエロのコインロッカー

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堂場瞬一『ミス・ジャッジ』中央公論新社<40>

ミス・ジャッジ

ミス・ジャッジ

野球小説『8年』でデビューしたときから気にはなっていたんだけど初挑戦の作家さん。
野球小説を読むのはなまじその世界をある程度知っているだけに勇気がいる。たとえリアリティがあっても自分に経験がないとリアリテイがない!と断言してしまいそうになってしまうのだ。それがプロ野球の世界であっても。
さて、本書は日本のプロ野球から大リーグに挑戦する投手と日本のアマ野球ナンバーワンの逸材と言われながら怪我で野球を断念し、大リーグの審判として再起を計った男の物語。
当初の懸念はなんのその、ものすごく楽しめた。野球小説としても良かったし、人間ドラマとしても佳作だった。実を言うとこの二人の主人公が二人して嫌な奴に思えてむかつく場面も多いのだけど物語に引き込まれるんだよなあ。
小説は読み終えたらそこで終わりなんだけど、その後の二人の人生がとても気になったりした。
余談だけど、id:juice78さんが本書の感想の最後に書かれていた疑問、僕も同様に疑問に思いました。本人だけが知らないならまだしも記者も知らないってことは普通は考えられないけどなあ。