奥田英朗『ガール』講談社＜44＞

ガール

奥田英朗の新作を読むたびに、ホントに巧いなあと思う。「巧い」という言葉は奥田英朗の小説を評するためにあるんじゃないか、と思うくらい。
今回は『マドンナ』の系譜に連なる短編集だが、やっぱりどれも抜群に巧い。本当に30代、OLのリアルな生活を切りとるような、客観的にみれば特別に奇抜なストーリーじゃないのに主観でみればどれも特別な話だったり、普通の話なのにどこかホロリときたり、軽いんだけど胸に残ったり、やっぱり巧いという言葉しか出てこない短編集です。