陽気なピエロのコインロッカー

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伊岡瞬『145gの孤独』角川書店<51>

145gの孤独

145gの孤独

横溝正史賞受賞第一作。タイトルに魅かれて読んだ。
145gというのは野球の硬式球の重さだ。プロ野球のローテーション投手が頭部に死球を当て打者を再起不能にしてしまい、それ以降、自らも内角にボールが投げられなくなってしまい引退に追い込まれてしまった後から本書が始まる。なんとその後についた職業は「便利屋」。野球は随所に出てくるが野球ミステリではない。
導入部分から巧く、会話も絶妙。トリッキーな面もあってなかなか面白く読めた。連作短編のような構成で、終盤の意外な展開はけっこうサスペンスフル。
ただミステリ的にはちょっと強引なところがあったかも。こういうのは嫌いじゃないけれど。