陽気なピエロのコインロッカー

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榊邦彦『100万分の1の恋人』新潮社<16>

100万分の1の恋人

100万分の1の恋人

第2回新潮エンターテインメント賞受賞作。
タイトルからしてあまったるくて普段だったらまず読まない類の小説だ。
ある個人的な事情でこの本の内容を知り興味をもって読んだのだけど、読んでよかったと思った。エンターテインメント賞にはあまり似つかわしくないシリアスな小説だったのにもかかわらず。当事者にとってみればまた考え方が違うのかもしれないが、理想的でなく極めて現実的なラストに好感をもった。静かに読み続けられてほしい佳品。