陽気なピエロのコインロッカー

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綿矢りさ『夢を与える』河出書房新社<20>

夢を与える

夢を与える

『インストール』や『蹴りたい背中』に比べると文章に勢いがあってずっとエンタメ度が強くなったように感じる。ただ長編なんだけど女の子の半生を描くにはやや早急な場面もあり拍子抜けするところも。
しかしなんて残酷な物語だろう。僕はほとんどテレビを観ないし、芸能界とかに全くといっていいほど興味も知識もないのでとやかくはいえないけど、本当に芸能界ってこんな感じなんだろうな。もっとも芸能界を描くのがこの作品の主題とは思えないが。
技術的なことを言えば、たまに視点が変わってしまうのが気になった。