陽気なピエロのコインロッカー

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川上未映子『乳と卵』文藝春秋<45>

乳と卵

乳と卵

第138回芥川賞受賞作。
正直に書くと、全く期待していなかった。前回芥川賞の候補になった「わたくし率 イン 歯ー、または世界」がとことんつまらなかったからだ。
ところが、受賞作「乳と卵」はとても面白く読めてしまったのだから不思議。上の『切れた鎖』の何倍ものスピードでページが捲れる。とくに緑子の描写は圧倒的でこれで芥川賞なら納得。ただ同時収録の掌編「あなたたちの恋愛は瀕死」はまたよくわからなかったのだけど。