有明夏夫『大浪花別嬪番付』小学館文庫＜82＞

大浪花別嬪番付―なにわの源蔵事件帳〈1〉 (小学館文庫)

これはめちゃくちゃ面白い。「なにわの源蔵事件帳」シリーズ復刊の第一弾。
1978年に直木賞を受賞した『大浪花諸人往来』をそのまま収録したというから、僕が生まれた年の作品になる。ユーモアに溢れているし、キャラクターも申し分ないけれど、この作品の白眉はなんといっても時代設定だろう。明治初期という変革期の物語のつくりかた、謎のつくりかた、ケリのつけ方がまさに絶妙。ほんとぴったり。このシリーズは間違いなく最後まで追いかけそうだ。