陽気なピエロのコインロッカー

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スティーグ・ラーソン『ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女』(上・下)早川書房<20,21>

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 上

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下

ミレニアム1 ドラゴン・タトゥーの女 下

翻訳モノでは今年度最大の注目作といわれる本書を読んでみる。
まず、その登場人物の多さに圧倒されるが、読んでいると、ほとんど気にならない。カナの人物名を覚えるのに苦労するのが海外小説のネックになっている僕にしても、ぐいぐい読める。登場人物に負けず劣らず、ミステリ、社会性、歴史、特異な人物造形等々いろいろな要素を含んでいるにも関わらず、ストーリーが複雑ではないから先が気になる気になる。読みやすいのにとても読み応えがある。
もともと著者はスウェーデンのジャーナリスト。仕事中毒だったのがこのミレニアム3部作を書きあげるやいなや出版前に急逝してしまったという。そういう意味でいわば伝説的な扱いをうけているようだが、小説そのものの評価としても非常に優れているのは一読すればわかる。
もちろんこの1作目だけでも十分楽しめるのだが、さらなる謎や過去が明らかになるらしい3部作の完結が非常に待ち遠しい。