陽気なピエロのコインロッカー

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水生大海『少女たちの羅針盤』原書房<28>

少女たちの羅針盤

少女たちの羅針盤

第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作受賞作。
短編映画の現場で活躍の場を広げようとする女優・舞利亜。しかし、その現場で舞利亜の過去を暴かんとする奇妙なことが次々と起こる。
一方、その4年前。高校の演劇部になじめずいわば独立する形でたちあげた女子高生4人組の劇団「羅針盤」。メンバーの幼くもあるけれどエネルギッシュな日々が瑞々しく描かれる。
物語は、現在と4年前が交互に展開していき、この4年前が現在にどう絡んでくるかが焦点になってくる。サプライズもきちんと用意されていてミステリとしても佳作だが、それに加えて少女たちの活写が素晴らしかった。

この本は原書房さんの企画で頂きました。ありがとうございました。