陽気なピエロのコインロッカー

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2018年1月に読んだ本

<5>町田そのこ『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』新潮社 ★4
デビュー作の連作短編でこの出来栄えはすごい。間違いなく書ける作家さんだと思う。次作が楽しみ。

夜空に泳ぐチョコレートグラミー

夜空に泳ぐチョコレートグラミー


<4>伊吹有喜『彼方の友へ』実業之日本社 ★4.5
設定もテーマの作風も好みど真ん中。ただ、もう少し深く長く掘り下げてくれたらもっと良かったのにな、と。

彼方の友へ

彼方の友へ


<3>近藤史恵『インフルエンス』文藝春秋 ★4
張り詰めた緊張感が半端ない小説。3人の少女(女性)の極上の心理サスペンス。

インフルエンス

インフルエンス


<2>霧島兵庫『信長を生んだ男』新潮社 ★4
信長の弟を描いた小説だが、今までの人物像とは全く異なった切り口が面白い。

信長を生んだ男

信長を生んだ男


<1>遠田潤子『オブリヴィオン』光文社 ★4
初読みの作家さんだったけど熱感溢れる小説だった。哀切の物語。

オブリヴィオン

オブリヴィオン

2017年12月に読んだ本

<53>フィル・ナイト/太田黒奉之訳『SHOE DOG』東洋経済新報社 ★3.5
ナイキ創業者の半生を綴った自伝。経営理念的なものというよりストーリーが主な感じ。知らなかったことが結構あってそういう意味では面白かった。

SHOE DOG(シュードッグ)

SHOE DOG(シュードッグ)


<52>阿藤玲『お人好しの放課後』創元推理文庫 ★3
軽妙なタッチは良いけどこの作風であればもう少しわかりやすさがほしいな。

2017年11月に読んだ本

<51>文芸第三出版部編『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』 ★3
記念碑アンソロジー綾辻行人有栖川有栖法月綸太郎などなど新本格初期世代勢揃いの短編集というだけで満足。


<50>矢部宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』講談社現代新書 ★3.5
興味深い内容ではある。知らなかったことだらけだし、へぇーと思うところも多くあり、読んで損はない。のだけど。


<49>陳浩基/天野健太郎訳『13・67』文藝春秋 ★5
これはめっぽう面白かった。時代を遡っていく連作物すべてがハイレベルで、かつ、全体的にも香港の歴史とミステリの融合していて素晴らしい。

13・67

13・67

2017年10月に読んだ本

<48>今村昌弘『屍人荘の殺人』東京創元社 ★4.5
第27回鮎川哲也賞受賞作。世界が一変したときは「そっち系か!」と思ったけどものすごく本格モノでびっくり。まさに奇想と本格の融合。

屍人荘の殺人

屍人荘の殺人


<47>青山透子『日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』河出書房新社 ★3
事故ではなく事件か、に迫るノンフィクションだが、不可解な点も多くあるものの推論にはかなり飛躍があるように思えた。

日航123便墜落の新事実  目撃証言から真相に迫る

日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る


<46>伊坂幸太郎『ホワイトラビット』新潮社 ★4
久しぶりに伊坂節を堪能。最近ご無沙汰だったけどやっぱり好きだなぁ。黒澤がここまで活躍?するのもニヤリ。

ホワイトラビット

ホワイトラビット


<44、45>井上真偽『探偵が早すぎる(上・下)』講談社タイガ ★4.5
文字通り、探偵が早すぎる推理小説。事件が起こる前に探偵が解決という設定が新しいし、なるほど説得力もあり面白い。

探偵が早すぎる (下) (講談社タイガ)

探偵が早すぎる (下) (講談社タイガ)

探偵が早すぎる (上) (講談社タイガ)

探偵が早すぎる (上) (講談社タイガ)


<43>柾木政宗『NO推理、NO探偵?』講談社ノベルス ★3
第53回メフィスト賞受賞作。「絶賛」か「激怒」しかいらないと帯にあるけど、どちらでもなかった。

NO推理、NO探偵? (講談社ノベルス)

NO推理、NO探偵? (講談社ノベルス)


<42>岡田秀文『帝都大捜査網』東京創元社 ★4.5
時代の設定といい作品の雰囲気といい好み。なんとなく「ん?」と思ってたところが最後の一行で「おうっ」となった。

帝都大捜査網

帝都大捜査網

2017年9月に読んだ本

<41>米澤穂信『満願』新潮文庫 ★4
単行本刊行時に読み逃していた1冊。山本周五郎賞受賞作。評判に違わぬハイレベルなミステリ短編集。堪能しました。

満願 (新潮文庫)

満願 (新潮文庫)


<40>青木知己『Y駅発深夜バス』東京創元社 ★4
落ち着いた筆致で好みのタイプのミステリ短編集。特に表題作は秀逸。

Y駅発深夜バス (ミステリ・フロンティア)

Y駅発深夜バス (ミステリ・フロンティア)


<39>杉本貴司『孫正義 300年王国への野望』日本経済新聞出版社 ★4
ソフトバンク孫正義伝。すごい、類まれな経営者であることはよくわかるが個人的にはあまり好きではないなぁ。

孫正義 300年王国への野望

孫正義 300年王国への野望


<38>河合雅司『未来の年表 人口減少日本でこれから起こること』講談社現代新書 ★5
これは日本人必読の本だ。盛んに少子高齢化が叫ばれているが、現実の生活への影響を具体的に突きつけられると本当に恐ろしい。著者の考える対策にもほぼ納得。

2017年8月に読んだ本

<37>伊吹有喜『カンパニー』新潮社 ★4
リストラ部署へ異動後、バレエ団に出向した主人公。公私とも危機の中バレエ団に必要とされ、またバレエに魅せられる。レッスン、パッション、カンパニー。

カンパニー

カンパニー


<36>宿野かほる『ルビンの壺が割れた』新潮社 ★4.5
もう一度読みたいけど、二度と読みたくない物語。秀逸。最後の一文の衝撃は過去最高。二度目は全く違う物語になること必至。

ルビンの壺が割れた

ルビンの壺が割れた


<35>深水黎一郎『午前三時のサヨナラゲーム』ポプラ社 ★3.5
興味深い短編集だが、優劣の差が大きい(笑)。好みの問題もあるけど「もうひとつの10・8」は傑作と思われ。

午前三時のサヨナラ・ゲーム

午前三時のサヨナラ・ゲーム


<34>山本巧次『開花鐡道探偵』東京創元社 ★4.5
巧い。時代設定も絶妙だし謎も人物も魅力的。これはシリーズ化希望。

開化鐵道探偵 (ミステリ・フロンティア)

開化鐵道探偵 (ミステリ・フロンティア)


<33>燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』新潮社 ★2
表現も陳腐だし、内容もストーリーも響かず。これは単なる世代間格差なのか。。。

ボクたちはみんな大人になれなかった

ボクたちはみんな大人になれなかった


<32>池井戸潤『アキラとあきら』徳間文庫 ★5
リーダビリティの高さといいストーリー展開といいさすが。中盤のハイライトにはしびれた。


<31>福ゐ行介『シロガミ』高齢者住宅新聞社 ★3.5
自費出版本。増大する社会保障費に抜本的な対策を取らなかった場合の近未来小説。貢献死というお国のために死ぬという選択をすると「シロガミ」が届く世界の悲哀を描く佳作。
https://www.koureisha-jutaku.com/wp-content/themes/twentysixteen/img/book/sirogami.jpg

2017年7月に読んだ本

<30>増田忠則『三つの悪夢と階段室の女王』双葉社 ★3.5
人間のほんのちょっとした悪意が文字通り最悪の悪夢になる展開。いやー、恐ろしい。

三つの悪夢と階段室の女王

三つの悪夢と階段室の女王


<29>鯨統一郎崇徳院を追いかけて』創元推理文庫 ★3.5
こちらもいろいろ無理がある気がするけど、この作風は、大好き。


<28>宮内悠介『あとは野となれ大和撫子』KADOKAWA ★3.5
いろいろな設定や展開に無理がある気がするけどぐいぐい読ませるのはさすが。

あとは野となれ大和撫子

あとは野となれ大和撫子


<27>柚木麻子『BUTTER』新潮社 ★4
著者の新境地には違いないし圧倒される力作であるが、思い切り感情移入してのめり込むところまで達せず。

BUTTER

BUTTER