陽気なピエロのコインロッカー

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2018年5月に読んだ本

<16>セバスチャン・フィツェック/酒寄進一訳『乗客ナンバー23の消失』文藝春秋 ★3.5
衝撃の展開の連続は評判通りの面白さだったけど、訳との相性が合わなかったかも。謎も魅力的だし、社会的なテーマもあってもうちょっとのめりこんで読めたらより楽しめたかな。

乗客ナンバー23の消失

乗客ナンバー23の消失


<15>ピーター・スワンソン/務台夏子訳『そしてミランダを殺す』創元推理文庫 ★4
興味をそそられる怪しい物語の始まりから第一部の衝撃のラスト、そして予想のつかない展開から魅惑的な余韻を残すラストまで読ませる読ませる。リリーのクールぶりとラストが印象的。

そしてミランダを殺す (創元推理文庫)

そしてミランダを殺す (創元推理文庫)

2018年4月に読んだ本

<14>笹沢左保『流れ舟は帰らず 木枯し紋次郎ミステリ傑作選』創元推理文庫 ★4.5
10編収録の文字通り傑作選。渡世人の生き様や当時の風俗のみならず紋次郎のキャラクターはもちろん、ミステリとしても上質。


<13>今村翔吾『火喰鳥 羽州ぼろ鳶組』祥伝社文庫 ★4
当時の火消しに関する蘊蓄のみならず王道ともいえるストーリに熱さと勢いがトッピングされていて美味。

火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)

火喰鳥 羽州ぼろ鳶組 (祥伝社文庫)


<12>一木けい『1ミリの後悔もない、はずがない』新潮社 ★4
いやー、新人とは思えない筆力。物語を紡ぐ力を感じる連作集だった。由井は忘れがたい人物。

1ミリの後悔もない、はずがない

1ミリの後悔もない、はずがない

2018年3月に読んだ本

<11>柚月裕子『盤上の向日葵』中央公論新社 ★4.5
いやー面白かった。読ませる読ませる。さすが柚月裕子。将棋の名駒をめぐる哀切の骨太の物語だが、終盤やや拙速だったかなと。

盤上の向日葵

盤上の向日葵


<10>日影丈吉『内部の真実』創元推理文庫 ★3.5
今読むと若干読みづらいのが難点だが、物語の構成には唸った。こういう作品が読めたことに感謝。


<9>望月拓海『毎年、記憶を失う彼女の救いかた』講談社タイガ ★4
メフィスト賞らしかぬストーリーだが、明かされた秘密の「愛」の形には驚嘆。感動の恋愛ミステリという看板に偽りなし。

毎年、記憶を失う彼女の救いかた (講談社タイガ)

毎年、記憶を失う彼女の救いかた (講談社タイガ)


<8>櫻田智也『サーチライトと誘蛾灯』東京創元社 ★3.5
好みの作風で期待が大きすぎたのかやや拍子抜け。ただ、今後も追いかけていきたい作家さん。

サーチライトと誘蛾灯 (ミステリ・フロンティア)

サーチライトと誘蛾灯 (ミステリ・フロンティア)

2018年2月に読んだ本

<7>蘇部健一『小説X あなたをずっと、さがしてた』小学館 ★4
さすが蘇部健一(笑) いやー恐ろしい小説を読んだ。ラスト一行、やられました。



<6>花形みつる『Go Forward!櫻木学院高校ラグビー部の熱闘』ポプラ社 ★4
青春スポーツ小説の王道ストーリー。ラグビーがわからなくても全く問題なく楽しめる。ちと最後が尻すぼみな感がするのが残念。

2018年1月に読んだ本

<5>町田そのこ『夜空に泳ぐチョコレートグラミー』新潮社 ★4
デビュー作の連作短編でこの出来栄えはすごい。間違いなく書ける作家さんだと思う。次作が楽しみ。

夜空に泳ぐチョコレートグラミー

夜空に泳ぐチョコレートグラミー


<4>伊吹有喜『彼方の友へ』実業之日本社 ★4.5
設定もテーマの作風も好みど真ん中。ただ、もう少し深く長く掘り下げてくれたらもっと良かったのにな、と。

彼方の友へ

彼方の友へ


<3>近藤史恵『インフルエンス』文藝春秋 ★4
張り詰めた緊張感が半端ない小説。3人の少女(女性)の極上の心理サスペンス。

インフルエンス

インフルエンス


<2>霧島兵庫『信長を生んだ男』新潮社 ★4
信長の弟を描いた小説だが、今までの人物像とは全く異なった切り口が面白い。

信長を生んだ男

信長を生んだ男


<1>遠田潤子『オブリヴィオン』光文社 ★4
初読みの作家さんだったけど熱感溢れる小説だった。哀切の物語。

オブリヴィオン

オブリヴィオン

2017年12月に読んだ本

<53>フィル・ナイト/太田黒奉之訳『SHOE DOG』東洋経済新報社 ★3.5
ナイキ創業者の半生を綴った自伝。経営理念的なものというよりストーリーが主な感じ。知らなかったことが結構あってそういう意味では面白かった。

SHOE DOG(シュードッグ)

SHOE DOG(シュードッグ)


<52>阿藤玲『お人好しの放課後』創元推理文庫 ★3
軽妙なタッチは良いけどこの作風であればもう少しわかりやすさがほしいな。

2017年11月に読んだ本

<51>文芸第三出版部編『7人の名探偵 新本格30周年記念アンソロジー』 ★3
記念碑アンソロジー綾辻行人有栖川有栖法月綸太郎などなど新本格初期世代勢揃いの短編集というだけで満足。


<50>矢部宏治『知ってはいけない 隠された日本支配の構造』講談社現代新書 ★3.5
興味深い内容ではある。知らなかったことだらけだし、へぇーと思うところも多くあり、読んで損はない。のだけど。


<49>陳浩基/天野健太郎訳『13・67』文藝春秋 ★5
これはめっぽう面白かった。時代を遡っていく連作物すべてがハイレベルで、かつ、全体的にも香港の歴史とミステリの融合していて素晴らしい。

13・67

13・67