陽気なピエロのコインロッカー

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2017年10月に読んだ本

<48>今村昌弘『屍人荘の殺人』東京創元社 ★4.5
第27回鮎川哲也賞受賞作。世界が一変したときは「そっち系か!」と思ったけどものすごく本格モノでびっくり。まさに奇想と本格の融合。

屍人荘の殺人

屍人荘の殺人


<47>青山透子『日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る』河出書房新社 ★3
事故ではなく事件か、に迫るノンフィクションだが、不可解な点も多くあるものの推論にはかなり飛躍があるように思えた。

日航123便墜落の新事実  目撃証言から真相に迫る

日航123便墜落の新事実 目撃証言から真相に迫る


<46>伊坂幸太郎『ホワイトラビット』新潮社 ★4
久しぶりに伊坂節を堪能。最近ご無沙汰だったけどやっぱり好きだなぁ。黒澤がここまで活躍?するのもニヤリ。

ホワイトラビット

ホワイトラビット


<44、45>井上真偽『探偵が早すぎる(上・下)』講談社タイガ ★4.5
文字通り、探偵が早すぎる推理小説。事件が起こる前に探偵が解決という設定が新しいし、なるほど説得力もあり面白い。

探偵が早すぎる (下) (講談社タイガ)

探偵が早すぎる (下) (講談社タイガ)

探偵が早すぎる (上) (講談社タイガ)

探偵が早すぎる (上) (講談社タイガ)


<43>柾木政宗『NO推理、NO探偵?』講談社ノベルス ★3
第53回メフィスト賞受賞作。「絶賛」か「激怒」しかいらないと帯にあるけど、どちらでもなかった。

NO推理、NO探偵? (講談社ノベルス)

NO推理、NO探偵? (講談社ノベルス)


<42>岡田秀文『帝都大捜査網』東京創元社 ★4.5
時代の設定といい作品の雰囲気といい好み。なんとなく「ん?」と思ってたところが最後の一行で「おうっ」となった。

帝都大捜査網

帝都大捜査網

2017年9月に読んだ本

<41>米澤穂信『満願』新潮文庫 ★4
単行本刊行時に読み逃していた1冊。山本周五郎賞受賞作。評判に違わぬハイレベルなミステリ短編集。堪能しました。

満願 (新潮文庫)

満願 (新潮文庫)


<40>青木知己『Y駅発深夜バス』東京創元社 ★4
落ち着いた筆致で好みのタイプのミステリ短編集。特に表題作は秀逸。

Y駅発深夜バス (ミステリ・フロンティア)

Y駅発深夜バス (ミステリ・フロンティア)


<39>杉本貴司『孫正義 300年王国への野望』日本経済新聞出版社 ★4
ソフトバンク孫正義伝。すごい、類まれな経営者であることはよくわかるが個人的にはあまり好きではないなぁ。

孫正義 300年王国への野望

孫正義 300年王国への野望


<38>河合雅司『未来の年表 人口減少日本でこれから起こること』講談社現代新書 ★5
これは日本人必読の本だ。盛んに少子高齢化が叫ばれているが、現実の生活への影響を具体的に突きつけられると本当に恐ろしい。著者の考える対策にもほぼ納得。

2017年8月に読んだ本

<37>伊吹有喜『カンパニー』新潮社 ★4
リストラ部署へ異動後、バレエ団に出向した主人公。公私とも危機の中バレエ団に必要とされ、またバレエに魅せられる。レッスン、パッション、カンパニー。

カンパニー

カンパニー


<36>宿野かほる『ルビンの壺が割れた』新潮社 ★4.5
もう一度読みたいけど、二度と読みたくない物語。秀逸。最後の一文の衝撃は過去最高。二度目は全く違う物語になること必至。

ルビンの壺が割れた

ルビンの壺が割れた


<35>深水黎一郎『午前三時のサヨナラゲーム』ポプラ社 ★3.5
興味深い短編集だが、優劣の差が大きい(笑)。好みの問題もあるけど「もうひとつの10・8」は傑作と思われ。

午前三時のサヨナラ・ゲーム

午前三時のサヨナラ・ゲーム


<34>山本巧次『開花鐡道探偵』東京創元社 ★4.5
巧い。時代設定も絶妙だし謎も人物も魅力的。これはシリーズ化希望。

開化鐵道探偵 (ミステリ・フロンティア)

開化鐵道探偵 (ミステリ・フロンティア)


<33>燃え殻『ボクたちはみんな大人になれなかった』新潮社 ★2
表現も陳腐だし、内容もストーリーも響かず。これは単なる世代間格差なのか。。。

ボクたちはみんな大人になれなかった

ボクたちはみんな大人になれなかった


<32>池井戸潤『アキラとあきら』徳間文庫 ★5
リーダビリティの高さといいストーリー展開といいさすが。中盤のハイライトにはしびれた。


<31>福ゐ行介『シロガミ』高齢者住宅新聞社 ★3.5
自費出版本。増大する社会保障費に抜本的な対策を取らなかった場合の近未来小説。貢献死というお国のために死ぬという選択をすると「シロガミ」が届く世界の悲哀を描く佳作。
https://www.koureisha-jutaku.com/wp-content/themes/twentysixteen/img/book/sirogami.jpg

2017年7月に読んだ本

<30>増田忠則『三つの悪夢と階段室の女王』双葉社 ★3.5
人間のほんのちょっとした悪意が文字通り最悪の悪夢になる展開。いやー、恐ろしい。

三つの悪夢と階段室の女王

三つの悪夢と階段室の女王


<29>鯨統一郎崇徳院を追いかけて』創元推理文庫 ★3.5
こちらもいろいろ無理がある気がするけど、この作風は、大好き。


<28>宮内悠介『あとは野となれ大和撫子』KADOKAWA ★3.5
いろいろな設定や展開に無理がある気がするけどぐいぐい読ませるのはさすが。

あとは野となれ大和撫子

あとは野となれ大和撫子


<27>柚木麻子『BUTTER』新潮社 ★4
著者の新境地には違いないし圧倒される力作であるが、思い切り感情移入してのめり込むところまで達せず。

BUTTER

BUTTER

2017年6月に読んだ本

<26>エリザベス・ウェイン/吉澤康子訳『コードネーム・ヴェリティ』創元推理文庫 ★3
うーむ、ワタクシには少し難しすぎたか。

コードネーム・ヴェリティ (創元推理文庫)

コードネーム・ヴェリティ (創元推理文庫)


<25>森絵都みかづき集英社 ★5
三世代にわたる塾を中心とした教育に人生を賭した家族の物語。骨太ドラマは感涙必死。

みかづき

みかづき


<24>いとうみく『ひいな』小学館 ★3.5
おひな様がつなぐ家族の物語。児童文学にしては怖いところもあるけどキュンとなる物語。

ひいな (創作児童読物)

ひいな (創作児童読物)


<23>佐藤多佳子『明るい夜に出かけて』新潮社 ★4
嬉しい山本周五郎賞受賞作。ラジオを取り巻く瑞々しい青春小説の佳作。

明るい夜に出かけて

明るい夜に出かけて

2017年5月に読んだ本

<22>宇佐美まこと『愚者の毒』祥伝社文庫
推理作家協会賞受賞作。構成は想定内だったけど第二章筑豊挽歌の衝撃は壮絶。忘れがたい作品。★4

愚者の毒 (祥伝社文庫)

愚者の毒 (祥伝社文庫)


<21>竹本健治囲碁殺人事件』講談社文庫
ゲーム三部作第一弾。うれしい復刊。サスペンス要素もあり悲哀のラストも良。★3.5

囲碁殺人事件 (講談社文庫)

囲碁殺人事件 (講談社文庫)


<20>知念実希人『屋上のテロリスト』光文社文庫
帯の「100回騙される」は大げさすぎ。予想つく展開だけどリーダビリティは高いので楽しめる。★3.5

屋上のテロリスト (光文社文庫)

屋上のテロリスト (光文社文庫)


<19>早坂吝『双蛇密室』講談社ノベルス
驚天動地のネタもさることながらくだらなさ大なのに読んでしまうんだよな。★3.5

双蛇密室 (講談社ノベルス)

双蛇密室 (講談社ノベルス)


<18>柳川悠二『永遠のPL学園 六〇年目のゲームセット』小学館
PLの廃部は衝撃だった。野球部と教団の思惑の違いと教団の存続自体が危うい印象。最後の12人はドラマティックだった。★3.5

永遠のPL学園: 六〇年目のゲームセット

永遠のPL学園: 六〇年目のゲームセット


<17>井川意高『溶ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録』幻冬舎
ギャンブルに落ちたエリートの懺悔録。赤裸々に綴っている。依存症は嗜好の問題というより病なのだな。★3

2017年4月に読んだ本

<16>青木裕子『これは経費では落ちません!〜経理部の森若さん〜』集英社オレンジ文庫
タイトルの勝利。経理部の人をデフォルメしたらこうなるんだろうな。★3.5



<15>田口壮プロ野球・二軍の謎』幻冬舎新書
選手としても文筆家としても好きな田口壮がいまオリックスの二軍監督をやっている。野球好きには特に真新しいことはないけど、文章が読めればそれでよし。



<14>オキシタケヒコ『おそれミミズク あるいは彼岸の渡し綱』講談社タイガ
これはホラー?SF?これらのジャンルがあまり得意ではないけど途中ちょっとついていけなかった。★3.5



<13>住野よる『か「」く「」し「」ご「」と「』新潮社
設定も面白いし、文章も軽妙だけど、うーん。★3

か「」く「」し「」ご「」と「

か「」く「」し「」ご「」と「



<12>平岡陽明『松田さんの181日』文藝春秋
オール読物新人賞受賞の表題作含む滋味あふれる6編収録。めっちゃ好み。前作も読んでみよう。★5

松田さんの181日

松田さんの181日