吉川英治文学賞には北原亞以子『夜の明けるまで』、新人賞には恩田陸『夜のピクニック』、瀬尾まいこ『幸福な食卓』に決定。
おおっ！恩田陸だっ！
と、まず思ってしまう。
先日直木賞を受賞した角田光代が文学賞の落選がとても多かったことを話題にしていたけれど、ことに恩田陸に関してはほんとうに賞に縁がなかったような気がする。
……ちょっとだけ調べてみたけれど、日本ファンタジーノベル大賞最終候補2回（『六番目の小夜子』『球形の季節』）、日本ＳＦ大賞候補3回（『光の帝国』『月の裏側』『ねじの回転』）、山本周五郎賞候補1回（『ライオンハート』）、星雲賞候補1回（『ロミオとロミオは永遠に』）。
意外にも直木賞には候補に挙がったことはない。
そして今回の吉川英治新人賞が初めての大きな文学賞の受賞になるみたいだ。
これだけ多くの読者を獲得していながらこんなに文学賞に縁がない作家も珍しいのではないだろうか。
ちょっと前で賞に縁のない作家といえば直木賞を受賞する前の大沢在昌とかだろうか。今じゃたくさん賞をもらっているけれど。そういえば東野圭吾も乱歩賞でデビューしたけれど推理作家協会賞を受賞するまでにずいぶん時間がかかった。直木賞にも嫌われ続けているし。
話がずれたけれど、新作『ユージニア』の評判もいいみたいだし今回の受賞はこれからの恩田陸のさらなる活躍の序章にすぎないかもしれない。
