陽気なピエロのコインロッカー

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第18回三島由紀夫賞の選評を読む。

選考委員は筒井康隆宮本輝高樹のぶ子福田和也島田雅彦の5氏。

各選考委員が推した作品は、
筒井康隆青木淳悟「クレーターのほとりで」で次点に三崎亜記『となり町戦争』。
宮本輝は消極的に黒川創「明るい夜」と『となり町戦争』。
高樹のぶ子中村文則「悪意の手記」と『となり町戦争』。
福田和也鹿島田真希「六〇〇〇度の愛」で次点に『となり町戦争』。
島田雅彦鹿島田真希「六〇〇〇度の愛」と青木淳悟「クレーターのほとりで」。


うーん、これで『となり町戦争』に授賞しないのだから選考会は面白い。
しかも、選考会で最後まで残ったのが「六〇〇〇度の愛」と「クレーターのほとりで」の2作品だというではないか。

消極的賛成が多い『となり町戦争』より絶賛の声が大きかった2作品が残った、ということなのだろう。

鹿島田真希については前回の候補作『白バラ四姉妹殺人事件』を絶賛していた筒井康隆が今回の「六〇〇〇度の愛」について「まったく波長が合わなかった」といえば、高樹のぶ子が「『六〇〇〇度の愛』は、『白バラ四姉妹殺人事件』より格段によくなっている」とまったく逆の評価。

とにもかくにも今回は候補作の水準が高かったと皆さんが書いてらっしゃいました。

あ、ちなみに鹿島田真希さんのダンナさんは神父さんとかいう新聞記事もどっかで読んだ気が。