- 作者: 角田光代
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2005/07/08
- メディア: 文庫
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それはともかく何気に初角田光代だったりする。ようやく読めた。
家族がそれぞれの視点で日常を語る、という連作集なのだけれど、なにより文章が巧いのが印象的。決して派手ではないのだけれど枝は細いように見えて根はものすごくがっちりしているような。
ストーリーも派手な事件が起こるわけではない。けれど、どこか微妙にバランスが崩れている「家族」というものが読んでいくに従って浮かび上がってくる。ホラーでは全然ないのに何か怖い。でも何が怖いのかがよくわからない。
こういう作品に「佳作」という言葉がふさわしいのだろうな。