陽気なピエロのコインロッカー

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『サウスバウンド』奥田英朗(角川書店)

サウス・バウンド

サウス・バウンド

今さらなんだけど、やっぱり奥田英朗はうまい。うますぎるよ。
直木賞受賞後の第一作だけど、『空中ブランコ』の次にこの作品をもってくるあたりもうまい。どちらかというと『最悪』や『邪魔』に近いかも。普通小説というか家族小説というか青春小説というか・・・まあジャンルはいいのだ、面白ければ。
「父は元過激派だ」なんて文言や本のボリュームをみるとちょっと手を出しにくい印象があるけど、読み出せばやめられなくなるし、思想的な文章(というか行動)も頻出するけど、決して難しくはないし(なにせ主人公は小学生だし)、もちろん高圧的でもない。
そしてこの主人公が思いっきり青春してるんだよなあ。こんな父親、いたら絶対迷惑だと思うけど、最後まで読めば一概にそうともいえないんじゃないかなと思ってしまったし。
とりあえず、今年のベスト1! といいたいところだけど、ベスト1はつい先週決めてしまったのでベスト2で!
さて、次は『ララピポ』だけど、これまた落差がありそうな本だな(笑)。