陽気なピエロのコインロッカー

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飯田譲治、梓河人『アナン、(上・下)』講談社文庫<49,50>

アナン、(上) (講談社文庫)

アナン、(上) (講談社文庫)

アナン、(下) (講談社文庫)

アナン、(下) (講談社文庫)

うーん、やっぱりダメだったなあ。
もともとファンタジー系の話は苦手なんだけど、この作品は北上次郎*1が解説を書いていて、評判もいいようなので読んでみた。
面白くないわけじゃない。けど、なんとなく文章もあまり巧くないし(読みやすいのは読みやすいのだが)、その面白さに作為的なものを感じてしまう。ファンタジーだからと言われればそれまでだけど、奇跡、奇跡、感動、感動の連続にちょっと辟易としてきてしまうのだ。
ただ、主人公のアナンはもちろん、流や電波青年に千草、早苗。合六氏に亀之助などの脇役みんなの人物の描き方はとても巧いなと思った。だから面白いのは面白いのだけど、解説にあるような「物語の力」という僕の最も好みな部分は感じることはできなかったなあ。

*1:僕の最も信頼する書評家で、ファンタジーが苦手。とかいいつつ最近はファンタジーも結構褒めている。記憶に新しいのは池上永一シャングリ・ラ』とか。ちなみにこの作品も僕にとっては評判ほどではなかった