陽気なピエロのコインロッカー

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山本周五郎賞

昨日「小説新潮7月号」と「IN・POKET」を買ってくる。
小説新潮山本周五郎賞の選評目当て。
がっ。
今年から選評の掲載形式が変わってるじゃあありませんか。去年までは「選考会全記録」と題して選考委員一人一人が作品ごとに点数をつけながら評していってとても興味深かったのに・・・。今年は他の文学賞と同じ「選評」になってしまった。うーん残念。
選考委員も去年からの引継が誰もいなくなったのでちょっとリニューアルっぽくなったのかなあ。


さて、その選評ですがその前に候補作の確認。
乙一『ZOO』、横山秀夫クライマーズ・ハイ』、古処誠二『接近』、熊谷達也『邂逅の森』、梨木香歩『家守綺譚』の5作でした。

各選考委員が推したのは
浅田次郎が『邂逅の森』と『家守綺譚』。
北村薫も『邂逅の森』、それに次いで『家守綺譚』。
小池真理子が『邂逅の森』と『ZOO』。
重松清も『邂逅の森』に『家守綺譚』。
篠田節子がはっきりとどれを推したかは明記していないけど『家守綺譚』、『邂逅の森』、『接近』に好意的。

うーむ。『邂逅の森』の圧勝って感じだけれど他の作品もどれも好意的な選評が多かったです。『邂逅の森』は「いくつもの不満のある小説だけれどそれを補ってあまりある圧倒的な魅力を備えた作品」という篠田節子の選評が的を得ている感じを受けた。
『家守綺譚』は惜しかったなあ。個人的には同時受賞して欲しかった。
それから『ZOO』は北村薫の「これはもう「SEVEN ROOMS」につきる」に同感!!それに推しただけあって小池真理子は絶賛でしたね。
クライマーズ・ハイ』は重松清の選評が僕の感想に近かった。そして僕が唯一未読の『接近』。読みたくなったなあ。篠田節子の選評が巧かった。


長くなったので「IN POKET」の伊坂幸太郎特集の感想は明日にでも。