『セリヌンティウスの舟』石持浅海（カッパノベルス）

セリヌンティウスの舟 (カッパノベルス)

石持作品は『月の扉』『水の迷宮』『扉は閉ざされたまま』に続いて4作目。で今までのどの作品も面白かったのだけど、読了後、なんとなく違和感が残る、というような感想を書いてきたのだけれど、この作品ではその違和感が小さくなかった。うーん、なんだろう。うまく言葉にできないけどよく言えば「説明が丁寧すぎる」、悪く言えば「くどい」ということになるのかもしれない。それに加えて今回は友情もの。友情ものは総じて登場人物に感情移入できないと、その「熱さ」が読書の邪魔をする。確かに魅力的な謎だし設定なんだけどどうも今回は今まで以上に作品にのめりこむことができなかった。