陽気なピエロのコインロッカー

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森山赳志『黙過の代償』(講談社ノベルス)<5>

黙過の代償 (講談社ノベルス)

黙過の代償 (講談社ノベルス)

第33回メフィスト賞受賞作。
最近メフィスト賞からもだいぶ遠ざかってしまっていたんだけど久々に読みました。帯には「国際派ハードボイルドミステリの大型新人あらわる!」「日韓同時発売」となんだかものすごい。
で、感想なんだけど、正直な話、よくわからなかった・・・。
いや大体のストーリーの流れや、驚くべき仕掛けはさすがにわかったんだけど、元々このストーリー自体が複雑な上に時系列も突然回想シーンが挿入されたりとわかりにくかったのがマイナス要因。でも一番の難点は漢字。いや漢字というか韓国語?「日韓同時発売」とあるだけに日本と韓国の物語だし、その仕掛けは驚嘆に値するのだけど、その性質上韓国人がたくさん登場して、というより日本人より多いのだけど、その人物名が覚えられない。ルビも最初に振ってあるだけであとは漢字のイメージで人物相関図を頭に入れて読まないと誰が誰でどういう人だったのかがすぐわからなくなってしまうのだ。視点がころころ入れ替わるのもそのわかりにくさを助長している要因になっている。
設定だとかはとても興味深かっただけにとても惜しい、という印象。