陽気なピエロのコインロッカー

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新野剛志『あぽやん』文藝春秋<53>

あぽやん

あぽやん

今回の直木賞の候補作のひとつで僭越ながら穴候補に予想したのだけれど、これは想像以上にいい小説だった。
あぽやん、というのは旅行会社の空港勤務で旅客の見送りなどをする社員のことなんだとか。こういうあまり知る機会がない設定も絶妙だし、なによりこの連作集は読後感がいい。ハッピーエンドばかりじゃないけど、なんだかとても前向きになれるのだ。主人公が僕と同じ年齢というのも共感できる部分もあった。
これはひょっとしてひょっとするかもなあ。