陽気なピエロのコインロッカー

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直木賞と東野圭吾と・・・

話題が一足遅いですが『容疑者Xの献身』の心の底から喜びたいと思います。記者会見でのクールに振舞おうとしているのに笑みがこぼれて嬉しくて嬉しくてしょうがない感じの東野圭吾がとっても印象的でした。
まあほんとにめでたいことなんだけど、版元が文藝春秋じゃなかったらもっと大喜びだったんですけどね(笑)。これで直木賞まで4回連続5作品文藝春秋の本が受賞となったんですよね。うーん・・・。
芥川賞では8回連続(4年間も!)文藝春秋が版元なんてことも最近ありましたが・・・。

さて、僕はもう1人、伊坂幸太郎との同時受賞というのを予想してたわけですが、伊坂幸太郎は残念ながら落選の憂き目に。
いえいえ皆さんの評判で『砂漠』で獲れるだろうというのも十分説得力がありそうなんですが、次回の第135回直木賞の発表(7月)の前に5月くらいに第19回山本周五郎賞の発表があるわけですよ。で、その山本周五郎賞というのは直木賞とものすごく対象作品が似ているわけでして、ということは伊坂幸太郎が次回の山本周五郎賞の候補に挙がる可能性が非常に高いと思ってるわけです。山周賞はインターバルが一年なので伊坂幸太郎の候補対象作品も『死神の精度』『魔王』『砂漠』とあるわけですが、最新作である『砂漠』が仮に候補になったとしてそうすれば山本賞受賞!となる可能性も高いわけですよ(多少の贔屓目はあるかもしれませんが)。
元来、山本周五郎賞直木賞に対抗するような形で創設されたわけで、反目、とはいわないまでも相性がよろしくない。余談だけど直木賞の唯一の辞退者が山本周五郎という経緯もあるわけですし。
今までも直木賞の落選作品が山周賞の受賞作になったり(例えば京極夏彦『覗き小平次』)山周賞の受賞作は直木賞を受賞できなかったり(例えば江國香織『泳ぐのに、安全でも適切でもありません』)なんてこともあったのです。まあそんなに陰謀めいたことはないとは思いますが。
2004年には、はじめて山周賞受賞作が直木賞の受賞作になって話題になりましたが(熊谷達也『邂逅の森』)しかしこれは版元が文藝春秋だったからという邪推もできなくはありません。
そして『砂漠』の版元は文藝春秋ではないのです。ないからこそ、もしこの『砂漠』で直木賞を受賞したら嬉しかったりするんですけど。(なんてったって文藝春秋が版元の『死神の精度』を落としてるんだから!)

まあ長々と駄文を連ねてしまいましたが、結果的には東野圭吾の受賞を心から喜び、伊坂幸太郎の早期受賞を心から祈念するばかりです。

・・・ってその前に、こんな能書きたれる前に『魔王』も『砂漠』も早く読めって感じですが。