吉川新人賞受賞作の『今夜、すべてのバーで』しか読んでなくて『ガダラの豚』もずっと読みたいと思っていました。
僕にとってとても印象的だったのが『ガダラの豚』が第6回の山本周五郎賞の候補になってその選評として選考会の様子を掲載した『小説新潮』で、野坂昭如氏がこの作品にだけ満点をつけて「この作品、いや、中島らもにどうしても賞を挙げたい、挙げないとダメになっちゃうよ、この人は。彼に授賞すべきだ」と絶賛していたことです。
結局、他の選考委員も『ガダラの豚』の素晴らしさを認めながら野坂氏以外全員が推した宮部みゆきの『火車』受賞作となったのでした。そのとき、野坂氏が心底悔しがっていた様子がとても印象的でした。
ちなみに当時、山本周五郎賞は2作同時授賞を認めていなかったような記憶があります。
なので第10回で真保裕一と篠田節子が同時受賞したときは驚きました。その後も何度か2作受賞はあるんですけどね。
http://www.nikkansports.com/ns/entertainment/f-et-tp0-040727-0022.html
